フィンランドの荷物の税関申請は日々難しくなっています。
手続きが難しすぎて、私は一度荷物を返送されてしまいましたし、
フィンランド人でさえも、多くの人が手こずっているという噂です。
長年フィンランドに在住の日本人の方に聞いた話では、

新しい税関システムのせいで、フィンランドの税関で荷物がずっと止まってる…。
もう半年も経つのに届かないの…!!!
以前はもっとすんなり届いたんだけどねぇ…
風のうわさで聞いたところによると、海外の安い通販サイトの利用者が急増した影響が背景にあるそう。
でも大丈夫!この記事では、私の実体験をもとに、複雑な通関手続きを
わかりやすく一から解説していきます。
基本知識
まずは、荷物がどのような流れで受取人の元へ届くのか、ざっくりと確認しましょう。
荷物が届く流れ
- STEP1発送
日本の最寄りの郵便局から、荷物を発送します。
この時、荷物の重さ、荷物の内容物、荷物の値段を申告します。
配送料や配達の早さは、荷物の送り方によって変わります。
こちらのサイトから、ご自身に合った送り方を選びましょう。
国際郵便 | 日本郵便株式会社海外へ郵便物を送るときの流れや国際郵便に関する商品・サービスを紹介しています。国際郵便を利用すれば、世界120カ国・地域に、お荷物をスピーディーにお届けすることができます。
注意!”配達日数が2~5日” であるからといって、受取人が2~5日以内に荷物を受け取れるという意味ではありません。
あくまで、”フィンランドに届くまでの日数が2~5日” であり、その後、”税関手続き” と “フィンランドのおっそい郵送サービス” が待ち受けています。
一番早いEMSでも、届くまでに1か月~2カ月かかることはザラです。
( p.s. 2023年以降、早く届くようになりました。およそ2週間です )
- STEP2フィンランド到着:受取人への通知
荷物がフィンランドに到着すると、フィンランドの郵便局(Posti)から通知が届きます。
通知に「税関(Tulli)のホームページで通関手続きをしてください」と書かれていたら、
その案内に従って通関手続きを始めることができます。
Postiからの通知は、電子メール・SMS・郵便 のいずれかの方法で届きます。

連絡の方法がどのように決まっているかは、全くの謎です。
メールチェック、郵便ポストを頻繁にチェックするなり、すべてに備えてください。Postiのスマホアプリに連絡が来ることもあるようです。
( p.s. 2025年現在、私には毎回EメールとSMSで届くようになりました。)
何度も受け取っているお友達によりますと、この連絡は、稀にとても遅れることがあるそうで、
荷物がフィンランドに到着してから、連絡が来るまでに、なんと最長1か月以上要したこともあるそうです。
というわけで、焦らず気長に待ちましょう。
- STEP3通関手続き
Posti からの通知が来たら、さっそく通関手続きに取り掛かりましょう。
通関手続きは、受取人が行います。
通関手続きは、大きく分けて以下の2つです。
税関(Tulli)に対して:荷物の中身や値段などをオンラインで申告します。
郵便局(Posti)に対して:手数料を払う or 税関からの書類を提出します。
以下で詳しく解説していきます。
ちなみに、通関手続きには期限があり、
20日以内に税関手続きを終えなければ、荷物は有無を言わさず返送されます ので、注意しましょう。

私は初めての手続きの時、かなり手こずってしまい、2週間かけても手続きを終えられず、荷物が返送されてしまいました。
というわけで、20日あるからと流暢に構えず、すぐに手続きを開始しましょう。
- STEP4受け取り人へ配達
受取人が手続きを完了すると、荷物は無事に通関となり、配達が開始されます。
荷物が通関すると、電子メールやSMSで通知されることが多いですが、なんの通知も来ないこともあります。
ご自身が選んだ配送方法がEMSの場合、基本的には荷物を自宅まで届けてくれます。
本来であれば、荷物が自宅前に到着すると、配達員さんが知らない番号で突然電話をかけてきますが、
たまに何の連絡もなく、最寄りの郵便受けやPostiのピックアップポイント(R-kioskiとか)に直接届けられることもあります。
また、家に不在の場合も、同様に最寄りの郵便受けやピックアップポイントに届けられます。
フィンランドでは再配達という概念はありません….
わざわざ高いEMSを選んだのに….ともやもやしますが、しょうがないのです…
その他の配送方法の場合も、最寄りの郵便受けまたはピックアップポイントに届けられます。

フィンランドでは、大きい荷物専用の郵便受けがスーパーやガソリンスタンドなどに設置されています。

ヨエンスーのプリズマのPosti郵便受け
配達が完了されると、電子メールやSMSなどで通知が来ます。
荷物を受け取るために、本人確認されることもありますので、念のためパスポートを持って、受け取りに行きましょう。

税関手続きはTulli、荷物の配達はPostiの管轄です。荷物に関して質問したい時は、どちらに聞くべきか考えてから質問しましょう。
ちなみに、フィンランドは公的機関への連絡が付きにくく、日中に電話すると一生繋がりません。営業開始直後の朝一番に電話するのがおすすめです。
関税のかかる荷物と、そうでない荷物の違いは?
フィンランドの税関を通関するには、関税を払わなければいけない荷物と、そうでない荷物があるのですが、
その違いはどのように決められているのでしょうか?
わかりやすいように表にしてみました!

日本からオンラインで注文した商品の場合は、少額であっても関税がかかります。
一方、日本の友人や家族に発送してもらった荷物の場合は、ギフトとみなされます。
中身が45€以上のギフトの場合は、関税がかかりますが、
45€以下のギフトの場合は、関税はかかりません。

つまり、日本のオンラインショップで購入した商品(45€以下)を、一旦家族の元に送付し、家族にその商品を国際郵送してもらえば、
購入した商品であっても「ギフト」としてみなされ、関税を払わずに済むというわけです。
例えば、フィンランドの大学で勉強する日本人留学生が、日本の家族から荷物を受け取る場合、
その荷物は「ギフト」に分類されます。
この記事では、「ギフト」の通関手続きについて詳しく解説していきます。
荷物を送る側が注意すべきこと
この項目では、荷物を送る側が、荷物を送る際に注意すべきことを解説します。
荷物を送る前、これらに注意しておくと、受け取る側の荷物の手続きがだいぶ楽になります。

「もう荷物送っちゃったよ~」という方、安心して!この項目はスキップして、次の項目へ進んでください。
海外に荷物を送る、国際郵便サービスには、様々な方法があります。
船で送る方法や、SAL便で送る方法、EMSと呼ばれる高速配達サービスなど(詳しくはこちらから)。
このようなサービスの違いに関わらず、海外へ荷物を送る際には必ず、
荷物の中身のリスト、荷物の重量、荷物の中身の合計、を申告しなければなりません。

オンラインの国際郵便マイページから入力したり、
郵便局で窓口の方に直接言って申告することもできます。
ですが、フィンランドの新しい税関システムを楽に切り抜けるには、
この荷物の情報を申告する作業に、ちょっとしたコツが必要なんです。
以下の点に注意して、発送準備をしてみてください。
内容物の中身のリスト:できるだけ雑に書いて!
「荷物の中身のリスト」を書いてください、と言われたら、
つい一品ずつ丁寧に書かなければいけないのでは?と思ってしまいますが、
そうしてしまうと、フィンランドでの通関手続きがめちゃくちゃ大変になります。

例えば、「ベルト1本」「上着1着」「鰹節1パック」「ティッシュ30個」といったように、一品ずつリストアップする必要があります。
さらにベルトひとつでも、「革製か」「金属部分の素材は何か」といった細かい分類の中から選ばなければなりません。
通関手続きでは、受取人が荷物の中身を一つずつ登録しなければなりません。
そのため、内容物が 20、30項目もあると、1日がかりです。
私と私の家族はこれをしてしまい、手続きが鬼のように複雑になり、結局荷物が返送される事態となりました。
というわけで、フィンランドの通関手続きは、いわば真面目な人ほど損をするシステムになっているため、
差出人は、荷物の内容物を申告する時、できるだけ雑に書く ことを心がけましょう。
例えば、
・ベルト、ジャケット、下着などは「Used Clothes(中古衣類)」
・じゃがりこ、せんべい、するめいかなどは「Snacks(スナック類)」
にまとめると良いでしょう。
嘘はいけませんので、内容物に沿った「おおむね正しい」リストアップを目指しましょう。

送ってもらう服が自分の服である場合は、必ず古着「used clothes」であることを明記しましょう。
古着の値段は、買った時の値段ではなく、フリマで売るなら何円くらい?を考えて値段を設定しましょう。(テキトーに決めていいんですよ…!)
荷物の合計金額:45€を超えるな!
先ほど解説したように、45€以下のギフトは関税を払わずに済みます。
“The gift must be declared. If the gift is worth no more than 45 euros, you do not usually have to pay any VAT or customs duty for it. If the gift is worth more than 45 euros, you usually have to pay VAT but no customs duty. If the gift is worth more than 150 euros, you usually have to pay VAT and possible customs duty. Please note that you must always pay VAT and excise duty for alcohol and tobacco products, regardless of their value.”
Tulli からの回答
この45€が重要な境目で、45€を超えたとたんに手続きもグンと複雑になります。
そのため、差出人は荷物を送るときに、国際郵送サービスに登録する内容物の合計金額を45€以下として申告しておくことがとても大切です。
こでのポイントは、実際の合計金額を45€以内に抑えることではなく、登録する金額を45€以下に設定する必要があるということ。
例えば、留学生のように、送ってもらう荷物の中身のほとんどが自分の服だったり、
贈り物の小物やお菓子ばかりで、合計金額がはっきりしないときは、
申告する金額を45€以下に設定して構いません。
45€以上に設定すると、関税が数万円かかったり、受取人の手続きが複雑になる可能性があります。
そのため、45€以下の金額で申告することが大切です。

ちなみに「えっ、どうしよ!荷物発送する時に、45€以上で登録しちゃったよ!」という方、大丈夫です!
後ほど、45€越えで登録してしまった人でも、高額な関税を払わないで通関する方法を解説していきます。
荷物の情報は、通関手続きが終わるまで控えておく!
先述の通り、荷物が現地に到着した後の通関手続きは、受取人が行う必要があります。
受け取り人が通関手続きを行う時には、以下の荷物の情報が必要です。
- 荷物の中身のリスト
- 荷物の合計金額
- 荷物の郵送費
差出人は、荷物を送ったら 「ご依頼主控え」の書類の写真を受取人にすぐ送っておくと安心です。
(時差の関係で連絡を取り合うのがスムーズにできない時もありますのでね…)
通関手続きには必ず上記の情報が必要なため、サプライズプレゼントを送るのは難しいということになります(泣)。
内容物に含めてはいけないもの
以下の物が、フィンランドの税関から、基本的に内容物に含めてはならないと提示されているものです。
alcohol, tobacco products, foodstuffs of animal origin, plants or animals
その他、受け取りができる内容物リスト、制限、禁止されている物、などチェックしておきましょう。
また、発送時に郵便局から提示される航空危険物リストにも目を通しておきましょう。
(45€以下の荷物)税関手続きの流れ
いよいよ!以下では、フィンランドの税関に荷物が到着した後、
受取人が行う通関手続きの方法を、手取り足取り解説していきます!
45€以上の荷物の場合は、次の項目をご覧ください。
税関の通関手続き
- STEP1メールが届く
フィンランドの郵便局 Postiから、電子メール・SMS・郵便のいずれかの方法で、「通関手続きを行ってください」という通知が届きます。通知には、荷物の整理番号(JPで終わる英数字)が記載されていますので、控えておきましょう。
ここで注意なのが、SMSやメールでのお知らせには、3種類あること。
① 「荷物が発送されましたよ~」というお知らせ。
②「税関に到着しましたよ~」というお知らせ。
③ 「配達完了しましたので、取りに来てください~」というお知らせ。
不在の場合、このお知らせが届きます。
荷物は最寄りの郵便受付所に配達されるので、住所を確認して自分で取りに行きましょう。
ほとんどの場合はレジで預かっていますが、自動郵便BOXに入っていることもあります。わからなければ店員さんに尋ねましょう。このうち重要なのが、②の「税関に到着しましたよ~」というお知らせです。
①の時点では、通関手続きはできないので、無視して大丈夫。
②のお知らせが来たら、下記のステップへと進んでください。
- STEP2身分証明手続き
こちらが、通関手続き申請フォームです。
Tullin asiointipalveluこちらのページの、Skip instruction を押すと、”proceed to log in”が出てきます。
“proceed to log in” を押すと、身分証明の画面になります。
この身分証明を経なければ、荷物の通関手続きを開始することができないのですが、
この身分証明は、フィンランドの銀行口座がなければ行うことができません。

えっ、じゃあどうすんだよ~
これには、二通りの方法があります。
- フィンランド人の友人に頼んで、銀行口座情報を入力してもらう
- 税関に書類を送付する
フィンランド人の友人に頼んで、銀行口座情報を入力してもらうと、
実質上、その友人が、あなたの代理となって手続きを行ったことになりますが、
最初のログインだけしてもらって、あとの手続きは自分でやれば、友人にあまり迷惑はかけません。
ただし、申請フォームが一度タイムアウトしてしまうと、また友人に再度銀行口座情報を入力してもらわなければならないため、
1回のログインで、ササっと申請を済ませる必要があります(この記事の手順に倣って行えば10分くらいで完了するから安心してね!)。
一方、フィンランド人の友人に頼むのはちょっと…という方におすすめなのが、税関に書類を送付する方法です。
手順はこちら
- 1143eフォームに記入する。
- 荷物が到着したというPostiからの通知(電子メール/SMS/郵便のいずれか)と、荷物の内容物と金額が明記された書類(例: 国際郵便マイページサービスの”内容品リスト一覧”など)を準備する。
- 1と2を、税関の電子メール(spake@tulli.fi)宛てに送付する。(できればファイルを暗号化して送ると安心)
(参照:costoms clearance of private persons’ postal parcels)
この手順を踏むと、どうやら税関の方が通関手続きを行ってくれるそうです(税関の返答より)。

この方法に関しては、Charlesさんが「2025年:日本からの個人間での宅配便をフィンランドで受け取る方法」という記事で詳しく解説されていますので、そちらを是非ご覧ください。
- STEP3申請フォーム入力
無事、身分証明を終えると、申請フォーム画面が出現します。
↓青い線の部分には、ご自分の荷物の整理番号を記入してください。その他の項目は、写真と同じように記入しましょう。(写真をクリックすると、拡大表示できます)
同ページ下部はこのようになっています。全部記入したら、Next を押します。
到着日(Postiから連絡が来た日)と、差出人の名前を記入します。
内容物とその値段を記入します。
ここは無視して大丈夫です。
何も触らず、next を押します。
↓これは、銀行口座情報を入力してくれたフィンランド人の友人の情報です。
ここも何も触らず、下にスクロールします。
I’m declaring goods on behalf of another person(代理で手続きしています)の項目にチェックを入れると、
あなたの名前や住所を入れる項目が出現します。
これが配達先になりますので、間違えないように記入しましょう。
完了しましたという画面が出ました。
同ページを下までスクロールしていくと、”Go to the page My declaration” というボタンが出てきますので、そちらをクリック。
クリックした先の画面には、2種類のPDF(Open the customs clearance decision in pdf formatと、Open the decision on release in pdf format)が用意されているはずです。
この2種類のPDFを、ご自身のパソコンにダウンロードして保存しておきましょう。
(2025年追記:関税を払わない45€以下の場合は、必ずしもPDFを保存する必要はありません)
以上で、税関の通関手続きは終了です。
税関手続きを終えると、税関からメールが来る場合も、来ない場合もあります…。
(私が先日荷物を受け取った時は、Tulliの通関手続きをしても、特に何の連絡も来ませんでしたが、翌日に荷物が届きました。)
通関手続きを完了しましたが、まだもう一仕事残っています!
この次の Posti の通関手続きを知らずに、荷物が返送されてしまったというフィンランド人も多々いるとのこと…
最後まできっちり行いましょう!
Postiの取扱手数料免除手続き
1. こちらのウェブサイトを開いて、”Exemption from the handling fee” をクリックします。
2. Reason for the exemption には、”The parcel is under 45 euro” と記入します。
3. “a private individual” を選択し、名前や荷物の整理番号を記入します。
The MRN number of the customs clearance decisionとは、Declaration reference のことです(2種類のPDFをダウンロードする時の画面に書いてあります)。
4. 最後に Attachments のところに、先ほど、通関手続きを完了した時にもらった2種類のPDFファイルをアップロードして、完了です。
現在は、このPostiの手続きは廃止されています。つまり、通関手続きで関税や税金を支払っていない場合(45€以下の場合)は、Postiの取扱手数料を支払う必要もなく、Posti側で何か手続きをする必要もありません。Tulliの通関手続きが終われば、後は待つのみです!
なお、通関手続きで関税や税金を支払った場合(45€以上の場合)は、Postiの取扱手数料(handling fee)も支払う必要があります。詳しくはページ下の「Postiの手続き」の項をご覧ください。

荷物の到着通知と共に、Postiから「Handling fee を払ってください」という御触れが来るかもしれませんが、
45€以下の荷物の場合は、Posti の handling fee は払う必要はありません。
間違って払う人が多く、私も間違って払ってしまいました…。
(45€以上の荷物)税関手続きの流れ
続いては、荷物の中身の合計金額をうっかり 45€以上で申告してしまった場合 について解説します。
高額な関税を回避したり、申告金額を下げられる可能性があるのは、以下のいずれかに該当する場合です:
②内容物のレシートなど、金額を証明する書類がある場合
③内容物リストに複数品目を記載している場合 (各ケースの詳細は、下で説明します)
上記に該当しない場合は、高額な関税を支払うしかありません。
ただし、Tulliの回答によると、通関手続きで申告する金額を決めるのは差出人ではなく受取人 とのこと。
つまり、差出人が国際郵送サービスに登録した金額に関係なく、受取人が通関手続きの際に金額を自分で決めて申告するということ。
ということは、税関は多くの場合、差出人が国際郵送サービスに登録した金額ではなく、通関手続きで申告された金額のみを確認しているのかもしれません。
そのため、国際郵送サービスに登録された金額ではなく、自分で設定した金額を申告しても、もしかすると通関できてしまう可能性があります。
(フィンランドは人口が少ないので、検査するのも人手が足りておらず、いちいち一つ一つ荷物をチェックしてはいられないのです…)

私の友人は、知り合い程度の方から突然プレゼントが送られてきて、内容や金額を本人に聞くのは気が引けたため、自分で適当に内容と金額を申告したそうですが、特に問題なく荷物が届いたそうです。ただし、この荷物は 45€以下 でした。
ただ、不審な点があれば、Tulliはいつでも荷物を開けて中身を確認できますので、
虚偽申告をしてしまうと、荷物が万が一開けられた時に説明がつかなくなります。
過少申告や虚偽申告が発覚した場合、貨物の差押え・没収などがあるかもしれませんので、高リスクです。
そのため、上記3点に該当しない場合は、潔く諦めて関税を払った方が安全でしょう…(泣)
その場合は、下記に沿って、通関手続きを行ってください。
- STEP1申請フォーム入力
※STEP3までは「(45€以下の荷物)税関手続きの流れ」と同じですので、そちらをご参照ください。
最初のページで、手続きをするのが誰か、荷物の種類と、荷物が何個あるかを選びます。
Arrival IDは、「ご依頼主控え」または Postiからの通知に書かれています。
運送会社にPostiを選択したら、荷物の値段を入力します。
45€以上の場合は、「関税を支払ってください」という注意書きが表示されます。
発送国とConsignor(差出人)は、自動で入力されているはずです。
Arrival Dateには、Postiからの通知(Tulliで通関手続きが可能になった旨の案内)が届いた日付を入力しましょう。
Transport costs and currencyには、荷物の輸送費を入力します。
荷物の輸送費は、差出人が荷物を発送する際に日本の郵便局から受け取る「ご依頼主控え」に書かれています。
その後、Postiからの通知に書かれているPostiの手数料(Posti’s handling fee)も入力します。
2025年10月現在は3.10€です。(なお、45€以下の荷物の場合は、Postiの手数料を支払う必要はありません。)
I have a receipt….のところは、クリックしないと進めません。
「ご依頼主控え」が写真などで手元にあれば大丈夫なはず。
荷物の中身は、ここで一つずつ入力します。
入力する内容は、「ご依頼主控え」に記載されているリスト通りにしましょう。
「Goods search」~「Number of pieces」までを入力すると、一つのアイテム分の登録が完了です。
登録後は「Add to declaration basket」を押してアイテムを申告リストに追加しましょう。
「Goods search」はアイテムのカテゴリー分けです。
どのカテゴリーにするか迷った場合は、「Commodity code」を押して表示されるTulliの連絡先に問い合わせましょう。
Tulliに問い合わせると、適切なカテゴリー番号を教えてもらえるので、それを入力すればOKです。
先に入力した荷物の内容物の合計額と輸送費に基づき、関税の金額が表示されます。
「Total amount payable」に表示されている金額が、実際に支払う金額です。
内容物の確認画面です。修正点があれば、前のページに戻って編集しましょう。
届け先の確認をします。通知先のEメールアドレスを入力し、通知を受け取ることに同意するにチェックを入れます。
金額等の最終確認画面です。
金額を支払い、無事に通関されると、下記の完了画面になります。
ですが、これで終了ではありません!
必ず Postiの手数料を払うことを忘れないでください。
詳しくは下記の「Postiの手続き」の項をご覧ください。
①フィンランドに渡航してから12か月以内で、荷物の中身の多くが私物の場合
これは 「Removal goods」 という申請方法で、交換留学生におすすめの通関手続きです。
荷物の中身がほとんど古着や中古品なのに、新品価格で申告して合計が45€を超えてしまった場合などに使えます。

基本的には、フィンランド渡航から12か月以内の人のみ利用可能です。
しかし、フィンランドに移住してから12か月以上経過している場合でも、特別な事情がある場合は、税関が例外的に免税を認めることがあります。
その場合は 事前に申請して許可を得る必要 があり、理由や証拠を提出する必要があります。
詳細は、こちらのページの 「Exceptional permit for removal goods」 を参照してください。
- STEP1申請フォーム入力
※STEP3までは「(45€以下の荷物)税関手続きの流れ」と同じですので、そちらをご参照ください。
申請フォームを開いたら、最初の画面で「I wish to declare」の選択肢から 「removal goods」 を選びます。
「どこから引っ越してきたのか」に「日本」を選択すると、その下に「引っ越し日」を選ぶ欄が表示されます。
私が試したところ、2025年10月23日現在では 2023年1月1日まで の日付を選択できました。
しかし、先述の通り、基本的には フィンランド渡航から12か月以内の人のみ利用可能 な申請方法です。
そのため、12か月以上前の日付を選ぶと、「特別な事情がある場合は、事前に税関の許可を得る必要があります」という注意書きが下に表示されます。
日付を12カ月以内に選択した人は、下記のような画面になります。
下記は引っ越しの日にちではなく、荷物が到着した日にちを選択します。
「荷物内に禁止されている物が入っていないか?」で No を選択すると、
その下に 内容物の合計金額を申告する欄 が表示されます。
内容物の合計が 45€を超えています が、removal goods として申請しているため、
以下の通り、支払う関税は 0€ と表示されます。
届け先住所と連絡先を確認すれば完了です。
以上で、通関手続きは終了です。
②内容物のレシートなど、金額を証明する書類がある場合
差出人が荷物を送る際に、内容物の合計金額を実際より高く国際郵送サービスに登録してしまった場合に役立つ申請方法です。
レシートなど、内容物の金額を証明できる書類を写真に撮り、メールで送付します。
(送付先は、おそらくこちらのアドレスと思います)
メールには、以下の内容を必ず記載しましょう:
・内容物の 実際の合計金額
・荷物の 追跡番号

私は実際にこの手続きを行ったわけではなく、Tulliからの回答を参考にまとめているため、詳細がなくすみません。もし実際に行ったことがある方がいらっしゃれば、ぜひご連絡ください。
この申請が通れば、実際の内容物の合計金額が45€以下の場合、関税はかからないはず。
また、45€を超えていても、支払う関税を少なく抑えられるはずです。
通関手続きで関税や税金を支払った場合(45€以上の場合)は、Postiの取扱手数料(handling fee)も支払う必要があります。
詳しくは下記の「Postiの手続き」の項をご覧ください。
③内容物リストに複数品目を記載している場合
差出人が荷物を送る際に国際郵送サービスに登録した内容物の合計金額が45€以上の場合でも、
内容物リストに複数品目記載されていれば、関税を少なく抑えることができるかもしれません。
例えば、以下のような場合です:
②本 30€
③服 50€
ギフトの合計金額が45ユーロを超えていても、必ずしもすべての品目に関税がかかるわけではありません。
複数の品目が入ったギフト荷物を受け取る場合、合計45ユーロまでなら関税はかからないのです。
つまり、上記の例では、①と②の合計は40€(45€以下)なので、これらには関税がかかりません。
45€を超えた③の分だけ関税を払えばよいので、すべての品目に関税を払う場合に比べて、支払額を大きく抑えることができます。
また、受取人が家族の場合は、家族それぞれが自分用のギフトの合計45€まで関税がかかりません。
例えば、以下のような場合です:
・子ども用のおもちゃ:35€と55€
一人あたり45€まで免税なので、父親用の30€の本と、子ども用の35€のおもちゃは免税になります。
一方、50€の本と55€のおもちゃには関税がかかります。
詳しくは、こちらの 「Other things to note」 内の 「Gift consignments that contain many items」 をご覧ください。
通関手続きで関税や税金を支払った場合(45€以上の場合)は、Postiの取扱手数料(handling fee)も支払う必要があります。
詳しくは下記の「Postiの手続き」の項をご覧ください。
Postiの手続き
前述の通り、荷物の内容金額が45€以下であれば、Postiの取扱手数料(handling fee)は不要です。
しかし、今回のように45€以上として申告した荷物の場合のように、
通関申告の際に関税や税金を支払ったときは、Postiの取扱手数料も支払う必要があります。
この手数料は、Postiの公式ウェブサイトから支払うことができます。
Item ID(荷物の整理番号)を入力すると、支払い画面に進みます。
現時点では、Handling feeは2.9€です。(2025年現在、3.1€になりました泣)

荷物が税関に届いた直後では、まだ早すぎてPosti の handling fee が払えない場合がありますので、
税関手続きをしてからhandling fee のお支払いをすることをおすすめします。
荷物の問い合わせ先
税関に荷物に関して問い合わせを行いたい場合は、こちらから連絡することができます。
メール:nettituonti@tulli.fi(返信はすぐ返ってくる時と、2~3営業日かかる時があります)
電話番号一覧はこちら
電話での問い合わせには、少しコツがあります。
電話の担当者は日替わりです。担当者によって言っていることがコロコロ変わりますので、
追加で質問がある方は、できるだけその日の内に追い電話を行いましょう。
また、「もう質問がない」と思っても、申請手続きを進めていくと新たに不明な点が出てきたりします。
おすすめは、朝いちばんから申請手続きを始め、Tulliのカスタマーサービス営業時間内に申請を終わらせられるようにスケジュールを組むこと。
そうすれば、同じ担当者と相談しながら、申請手続きを進めることができます。
ただし、電話でのお問合せは、待ち時間を含め、料金が発生しますのでご注意を。

ちなみに、留学生が仕送り荷物に関して質問する場合は、必ず「自分は留学生で、親から仕送り荷物をもらうんです」と初めに申告しましょう。
「あっ、その場合は…!」と声色を変えて対応してくれます。





































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