フィンランドといえば、世界でも最も治安のよい国の一つとして知られています。
しかし、日本もそうですが、完全に安全な国などありません。
今回は、フォロワーさんや現地の友人たちから集めた、フィンランドで体験した危険や注意事項をまとめました。
フィンランドを愛するがこそ、悪い面や危険な点も、目を背けずに向き合いましょう!
酔っ払いが多い
フィンランドはのんべえが比較的多いです。
昼間っから、ベロンベロンに酔っ払っている人も、一定数います。
私はこれまで、
- 昼間のデパートの広間の真ん中で、大の字で寝ている酔っ払い、
- バスの中で私を指さして、ひたすら大笑いしてくる酔っ払い、
- ナンパしてくる酔っ払い、
- 罵り浴びせてくる酔っ払い、
- ダンスを強要してくる酔っ払い、
数々の酔っ払いに出会いました。
フォロワーさんの中には、
などの声がありました。
直接的な暴行などの被害の報告はありませんでしたが、
それでも怖い思いをしたり、不愉快な思いをすることが多いです。
酔っ払いを見かけたら、十分な距離を取り、話しかけられても無視しましょう。
また、夜は特に酔っ払いが多く出没しますので、夜道を一人で歩くことはなるべく避けましょう。
いきなり怒鳴られる
こちらも比較的あるある。
筆者も、度々散歩中に突然フィンランド語で何やら怒鳴られたことがあります。
フォロワーさんの中にも、
いきなり車を横付けされて、怒鳴られたことがあります。
おじさんが杖でゴミ箱をたたきながら、何かをずっと叫んできました。
怒鳴られても、何を言っているのか理解できないため、ますます怖いです。
周囲に誰もいないという状況はできるだけ避け、人通りの多い場所で行動しましょう。
自転車が頻繁に盗まれる
自転車はほんとうによく盗まれます。
自転車の鍵を甘く見ていた私は、留学を開始して4日目ですでに盗まれました。
常習化しているため、日本でいう”ビニール傘泥棒”並みの頻度で起きます。
これは観光客や外国人問わず、フィンランド人にも起きること。
自転車の部品(サドルやタイヤ)だけ持って行かれることもあります。

僕は、サドルの鍵、自転車全体の鍵×2で、
合計3つの鍵をかけています。

1度でも気を抜くと、すぐに盗られます。
必ず、備え付けの自転車スタンドと自転車の間に鍵を通しましょう。
自転車に鍵を通しているだけだと、盗られやすくなります。
別のフィンランド人の友達は、クラスメイトが自分の目の前で
自分の自転車を盗んでいくところに遭遇し、
嘘を並べて弁解しようとするクラスメイトを、走って追いかけて捕まえたそう。
つ、強い…!
人種差別
フィンランドでも、人種差別的な発言をする人は、まだまだたくさんいます。
普段は言わないでいても、
特に、酔っぱらったり、外国人が起こした事件などが発生すると、
人種差別的発言をする人が多いようです。
トゥルクで起きた、他国籍の犯人によるテロ事件の後も、移民たちへのヘイトスピーチが行われました。
私は、地元の少年グループに2回ほど、アジア人の見た目を野次られたことがある程度ですが、
同時期に留学していた日本人の先輩は、
人種差別的な発言を叫ぶ酔っ払いに追いかけられ、殴られそうになったそうです(参照)。
大学でも、たまに「人種差別的な事件が近隣で起こりました。気を付けてください」という連絡がきます。
また、同時期に留学していた韓国人の友人は、韓国人の友達とレストランで食事をしていたところ、
同じレストランにいたフィンランド人グループに、アジア人をバカにするような発言をされたとのこと。
フォロワーさんからも、人種差別的なふるまい等をされた、という報告を頂きました。
フィンランド人の友人に言われるまで気が付かなかった。
(フィンランドの交通機関では、自主的にチケットを買い、それを係員がチェックしに来ます)
さらに、人種差別的な言動をされるのは、外国人だけではありません。
スウェーデン系フィンランド人も、同じように差別を受けることがあります。

近年は、「真のフィンランド人党」と呼ばれる移民排斥の色が強い党が勢力を増しており、
第1党である社会民主党とわずか1議席差だったとのこと(参照)。
フィンランドだからと安心しきらず、人種差別的な思想を持った人もいるということを忘れないようにしましょう。
テロや薬物使用事件
テロや薬物使用車による殺傷/発砲事件なども、これまで多数報告されています。
現に、このコロナ禍の影響でサイバー攻撃の犯罪や、テロは急増しているそう(参照)。
こちらはコロナ前ですが、近年で一番大きな報道をされたのは、ムーミンワールドに近いトゥルク市で起きた事件。
2017年、通行人が無差別に刺され、多くの尊い命が失われました。

「スオミの旦那と一生一笑」https://suomi-isshoissho.com/turku-finland-sad-8736
私たちが英語や日本語でちょっと検索をかけたくらいでは、この程度の情報しか出てきませんが、
実際はもっと多くの事件がフィンランド国内で起きています。
フィンランド現地の友人たちからの便りでは、私の留学していた近隣でも事件が起きていて、
私が留学していた時、日本よりも安全に思えたくらいあの平穏な町が!?
と信じがたくなります。
一番衝撃的だったのは、リンヌが遭遇した事件。

アパートに帰ろうとしたら、アパートの前に包丁を持った人が取り押さえられてて、大騒ぎだった。薬物をやっていたみたい。
しかもその日、違う場所で薬物をやってた人が借金に追われたか何かで、自分が乗ってる車に火をつけて、自殺したの。(2020年)
少し彼女がアパートに帰るのが早かったら、包丁を持った人と鉢合わせしていたと思うと、
非常に恐ろしいです。

昔はアルコール中毒が問題になっていましたが、近年の若者の間では、薬物乱用者が増えています。
薬物はフィンランドでは違法ですが、簡単に手に入ってしまうのです。
僕の周りでも、最近、近くのお花屋さんが薬物取引で逮捕されたり、同じアパートの住民が薬物を吸い始めたりして、
薬物の魔の手を本当に身近に感じるようになってきました。
さらに、クオピオという地域では、大学で生徒が銃を乱発し、負傷者が出たという事件がありました(2019年)。
フィンランドの東地域だけで、これほどの事件を耳にしました。
他の地域全体も含めて全体で見れば、もっと多くの事件が起きていることでしょう。
銃の所持許可 & 犯罪者の服役が短い!
規制は厳しいと言えども、フィンランドは銃の所持が許可されていて、
狩り用に所持する人が多くいます。
フィンランドには200万丁の銃火器が登録されており、(これは単位あたりで米国よりも多い)さらに25万丁の未登録銃器も存在しているといわれている。
また、フィンランドには死刑判決はなく、犯罪者に課される最も重い罰則は終身刑です。
しかもこの終身刑というのは、”終身”とは到底言えないほど短く、
たいていは長くて12~15年の服役期間で、殺人犯であっても、10数年後には町を普通に歩いていることになります。
2017年の時点で、フィンランドで終身刑の有罪判決を受けた最長の投獄は22年です。仮釈放された犯罪者は翌月に別の殺人を犯し、再び終身刑を宣告されました。
親権を争っていた3歳の娘を離婚した元妻から誘拐し刺殺したとして裁判になっていたカリブ系フランス人に終身刑の判決が下りた。被告が控訴する可能性もあるが、フィンランドで終身刑は実質的に13年程度の懲役#フィンランド #北欧 #終身刑 #治安 #海外安全対策 https://t.co/0cZ0IBY1cQ
— 北欧の理想と現実 (@yasemete) June 29, 2018
ヨーロッパで2番目に多いDV
私は、度々友人からチラっと、
など、家庭内暴力について聞くことがありました。
フィンランドではDVが多いことが知られています。
Yle(フィンランドのNHKみたいな)放送局によると、
フィンランドでは3分の1の女性が、パートナーから家庭内暴力を受けているとのこと(参照)。
また、その80%は警察に報告されない(被害者が被害を届けない)ため、
実態はもっと深刻であることが推定されています。
こちらの記事では、ヘルシンキのDVシェルターを訪問した様子が綴られています。

フィンランドはジェンダー格差指数(GGI)が3位(日本98位)。
これだけ平等が達成されている社会でのDVシェルターの多さが何故なのか。
一部では、アルコール依存がDVに関係しているのではないか、という報道も。
DVはフィンランドでもどこでも、見逃されがち/気が付きにくい問題。
「見て見ぬふりはもうやめよう」と、Yleは報道しています。
私が体験した身の危険
個人的に、ヘルシンキを一度用事で訪れた際に、怖くなった思い出があります。
多くの日本人観光客も利用する、ヘルシンキ中央駅の地下のコインロッカー。
その日、私はそのコインロッカーで、ちょうど自分の荷物を入れていました。
ふと振り返ると、何やらボロボロの格好で、他の利用客と興奮気味に話している女の子が。
パッと目が合った瞬間、
「お願い!助けて!お願い!4€くれませんか?お願いです!」
ティーンぐらいのお年とみられるその女の子は少しパニック状態で、
目はボンボンに腫れ、服はビリビリに破かれており、口元からは血がにじんでいました。
「なんで?どうしたの?何があったの!?」と聞くと、切れ切れに
「夜中…男たちに殴られて…私どうしよう…もう」
「とりあえず、親御さんは知ってるの?電話とか?」と戸惑いながらも聞いてみると、
「携帯盗られて…荷物預けて図書館に行って電話するわ」とのこと。
ふと見ると、女の子は大きなビニールの中にたくさん服を詰め込んでいました。
いろいろ不明点はあったのですが、4€だったので詐欺でもないだろう、ということで
お金を渡すと、
「ありがとう!」
と言い、コインロッカーに服を詰め込んで、どこかへ行ってしまいました。
私が利用した時間のコインロッカーには、日本人観光客も多くいました。
「ヘルシンキのコインロッカーいつも使ってるけど、そんな危険な目に遭ったことなんてないよ!」
と思うかもしれませんが、もしかしたら今まではあなたがただラッキーだっただけかもしれません。
フォロワーさんの中には、実際に絡まれた方もいらっしゃいます。
無視しましたが、その後のバスも同じでした。
ヘルシンキは、フィンランドの首都であり、ヨーロッパの玄関「ハブ空港」が位置する場所です。
多くの人が行き交う町ですから、危険に出会う可能性もその分、他の都市より上がります。
万全を期したいなら、一人での行動は避け、夜道や人通りの少ない場所を歩くことはなるべく避けましょう。
なかなか、胸の痛む記事でしたね。
しかし、これはフィンランドに限らず、日本や世界のどの国でも、常に起こりうることです。
日々の平穏に感謝して、危険はできるだけ事前に回避できるよう、考えて行動しましょう。
また、フィンランドで危険な思いをした!という方、コメントやお問合せページからぜひお知らせください。
過去の出来事をより多く知ることで、対策に役立てることができます。
フィンランドでクラブ体験に挑戦してみたい!という人は、
是非こちらを読んで、リスクを把握してから望んでください。

他にも、治安に関して体験談を挙げてくださっている記事を見つけましたので、見てみてください。

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