フィンランド人は日本人のことをどう思っているのか気になりませんか?
また、日本人はフィンランド人に対してどんなイメージを持っているのでしょうか?
今回は、筆者が両サイドの方々にアンケートを取り、
我々がお互いに勝手に抱いているイメージを明らかにしてみました!
日本人が思うフィンランド人とは
まずは、日本人がフィンランド人に対して抱いているイメージを見てみましょう!
インスタグラムでフォロワーさんにアンケートを取ってみました。
シャイ
「フィンランド人はヨーロッパの日本人」という噂もあるくらいで、
フィンランド人は「シャイ・物静か」だという印象の人が多いようです。
私の印象としては、男の人にシャイな人が多く、女の人におしゃべりな人が多いイメージです。
酒飲み
確かにフィンランド人はお酒が大好きなイメージですね!
私の周囲の友人はお酒を飲みませんが、
ベロンベロンに酔っ払ったおじさんたちを町でよく見かけます。
フィンランドでは自転車がよく盗まれるのですが、その主な原因は酔っ払いたちと言われています。
酔っ払った人たちが、家に帰る時に自転車を盗み、なぜか川に捨てるのだそう。
実際に川には自転車がよく捨てられていますし、私の自転車も盗まれました。
ただし、近年のフィンランドの若者の間では、お酒よりも薬物の使用が流行っているようで、
飲酒量は減ってきているものの、薬物の使用率が高まっているという噂を聞きます。
違法ですが、簡単に手に入ってしまうそうです。
背が高い
私の両親がフィンランドに旅行した際、Finnairの客室乗務員さんたちが巨人のようにでかかった、らしいです。
しかし実際にヘルシンキに降り立ってみると、あれ?そうでもないかも…?と拍子抜けしたそう。
こちらのサイトによると、
フィンランド人の男性の平均身長は180cm、女性の平均身長は167cm
Average human height by country - Wikipedia
私の印象では、「確かに背の高い人もいるけど、思っているより高くはない」といった感じ。
私の友人の中では、私(160cm) より大きい人は4人くらい。
あとは皆私と同じくらいか、私より小さかった人も多かったです。
ヘヴィメタ好き
ヨエンスーでは例年「ヘヴィーメタル編み物選手権」が開かれています。
2019年には、日本の芸人の金子さんたちが参加して一位を勝ち取ったことで知られています。
ヘヴィーメタル編み物といっても、編み物の要素はとても薄いです。
編み物を手に持っていさえすれば、なんでもありです。
リンヌもヘヴィメタが大好き。
真面目
私もフィンランドの人たちは真面目な人が多い印象があります。
何か質問すると丁寧に返してくれますし、
フィンランド人の友達は、 How are you? と聞くと、
「今日は朝こういうことをして、こういうことがあって…」と事細かに説明してくれます(笑)
でも、一方でお調子者だなとも思いますね。
ふざける時は全力でふざける、時に自虐的なユーモアをかましてくる印象です。
マリメッコの食器が必ず家にありそう
マリメッコというよりは、イッタラ、特にアラビアの食器が必ずある印象です。
フィンランドの人たちはお祝い事があると、とりあえずイッタラの食器を贈り合います。
特に、絶対にあるのがこの「ろうそく立て」。
アラビアのムーミンマグカップを全種類集めている人もたまにいます。
一方のマリメッコは、私たちが思っているほど、所持している人は多くない印象です。
私の知り合いの中では、1人や2人がマリメッコの服を着てきたことがあります。
穏やか
私も穏やかな人が多いイメージですが、
お酒を飲むと豹変すると言われており、途端にうるさくなり、自己主張が激しくなる人が多いです。
また、アイスホッケーの観戦時も、めちゃくちゃうるさくなります。
怒らなそう・優しい
確かにそうかもしれません。
多少のハプニングは「ノニーン(noniin)」で済ましちゃいます。
前の人がケーキを選ぶのにどれだけ時間をかけていても、後ろで並んでいる人たちは全く騒ぎません。
提出物が遅れても、誰かが集合時間に遅れてきても、怒る人は稀な印象です。
私が留学中も、無礼な対応をしてきた人は2名くらいしか出会いませんでした。
このように、みなさん優しい印象ですが、一方でフィンランドはDV(家庭内暴力)が多いことも事実。
フィンランドの女性の3分の1が家庭内暴力に遭っているとのことで、
ヨーロッパでもかなり多い方なのだそう。
優しい印象だけど、もちろん全員が常に優しいわけではない、ということを覚えておきたいですね。
サーモンが好き
サーモンが好きなのかどうかはわかりませんでした。
だって選択肢がほとんどサーモンしかないので、
つべこべ言わずにサーモンを食べるしかないからです…
みんなが興奮していた魚と言えば、
フィンランド語で「はい、チーズ!」の意味も持つ、「ムイック(muikku)」という魚。
日本語ではモトコクチマスという名前。
日本でいうイワシサイズの小魚で、サケ科の淡水魚です。
東フィンランドはサヴォリンナ地方の伝統料理として有名で、
フライにしてポテトを添えて、フィッシュアンドチップスのようにして食べます。
または、同じく東フィンランドのクオピオ地方の料理「カラクッコ」という料理としても有名です。
なんと、大きなライ麦パンを切ると、中からムイックが出てくるんです…。
普通のパンのようにバターを塗っていただきます。
コーヒー大好き
フィンランドは世界のコーヒー消費量世界第一位と言われております。
質よりも量重視なのよ。
仕事中コーヒー休憩をはさむのが義務付けられているのもあって、コーヒー休憩室はいつも立派です。
ただ、もちろんコーヒーが苦手な人もいます。
フィンランド人が思う日本人とは
次に、フィンランド人が日本人に対して抱いているイメージを見てみましょう!
友人にも同様にアンケートを取ってみました。
クレイジー・面白い人たち
「彼らに不可能なことはない!」だそうです(笑)
フィンランドでは日本の古い面白動画が知れ渡っています。
リンヌに初めて会った時、「日本ってヤバいよね!」と見せてくれた動画がこちらです。
これでは確かにヤバい、としか言いようがありません。
落ち着いている・謙虚
フィンランドの人たちも、日本人は「落ち着いている」と思っているのですね。
また、「謙虚」という言葉も出てきました。
褒められた際に「え~、そんなことないない!」とついつい言ってしまう日本人は、
フィンランドの人たちに共通する部分もあるのかもしれません。
シャイ・物静か
こちらも、私たちがフィンランド人に抱くイメージと同じですね。
お互いにシャイで物静か、と思っていて、会話が弾むのか心配になりますが(笑)
逆に、気が合って話しやすいのかもしれません。
フレンドリー
…フレンドリー!そうなんだ?(笑)
「フレンドリー」と回答してくれたこのお友達は、
日本に留学中、一人で都内を散歩していると、よくお年寄りや英語学習者に声をかけられたそうです。
お年寄りとおしゃべりできるのは楽しかったけど、
英語を練習したいからという目的だけで話しかけてくる人たちには嫌気が差したそう。
私たちだって、海外旅行先で日本語を練習したいという人に街中で呼び止められて、
ずっとついてこれらたら嫌ですよね…。
インテリ
日本人は賢い、というイメージがあるそう。
小耳にはさんだ話では、フィンランドでは日本に留学すると、
「あの賢い国日本で勉強した!」という箔が付くのだそう。
履歴書に「日本留学」とあるだけで、「おぉ!」という反応になるのだとか。
まるで、日本人がアメリカで留学したら、履歴書に書けて有利だ!というのと一緒ですね。
法律を遵守する人たち
えー!そうなんでしょうか!!!(笑)
法律をフツーに破って無報酬で残業を強いている日本と、
法律を遵守した仕事量が決められているフィンランド、
どっちが「法律を遵守する人たち」なんでしょうか…
法律だからと、ドライバーが歩行者の横断をきちんと待つのもフィンランドのような…?
よく働く人
外国の友達と話していると、
とよく言われます。
日本の過度な残業等は海外ではとてもよく知られています。
仕事にそこまで情熱を注げられるのはすごい、でも理解できない、「クレイジー」らしいです。
また、日本人は「頑張っている」ことを示したがる、というイメージもあるそう。
例えば、「遅くまで会社に残っている=頑張っている」と考えられたり、
寝てない自慢をする、等です。
こういった日本人の勤勉性は言語にも表れているのではないか?、というご指摘もありました。
例えば「頑張って!」や「お疲れ様」といったよく使われる挨拶は、
お互いに鼓舞し合うためのねぎらいの言葉であって、ぐうたらな人には向けられない言葉です。
逆に言えば、相手に「頑張ることを期待している」と言えるんじゃない?とのことでした。
礼儀正しい
お礼の品、ご挨拶の品、お別れの品、お祝い品…
と、相手にお世話になる/なった時に品物を贈ったりする頻度が高いのは日本人かもしれません。
また、ことあるごとに Thank you を言わずにはいられない私たちは、
フィンランドの人たちから見れば「めっちゃ丁寧!」に映るのかもしれませんね。
Thank you を連呼しがちな日本人と、それを変に思ったフィンランド人の体験談はこちらからのぞくことができます。
“見えないマナーブック”に従う
あらゆる物事に ”正しいやり方” があって、彼らはそれを守ることを要求されている気がする。
日本人は、何か新しいことに直面したら、まず最初に “正しい” 方法を知りたがる、
または、自分たちで正しい方法を探ろうとする。
とのことでした。
そして、”正しい方法” を探り当てたら、めったにそれを変えようとせず、
それがやがて習慣や習わしに変化する。
つまり、すべての行動には “見えないマナーブック” みたいなものがあって、
みんながみんなそれに従っているように見える、のだそうです。
人口密度の高い日本において、みんなが “正しい方法” に従うことによって行動が効率的になる一方、
変更の余地は全くないので、柔軟性はないよね、と言っていました。
確かに、進路の選択肢の少なさ、という点で他のフィンランド人にも指摘されました。
先に「成功への道」という一本のレールが引かれていて、そこから踏み外したら生きづらい、
選択肢があまり与えられていないように見える、と。
進路に関する話だけでなく、私たちは世間の目を気にする節があるように思います。
迷った時は「周りの人はどうしているのか?」をまず確認し、安心したり。
それが悪いのか良いのかはわかりませんが。
言動にとても気を遣う・集団行動
「自分の言葉や行動が大丈夫かどうか、よく確認している。
できるだけ争いごとを起こしたくない彼らにとって、きっとそれはとても大切なことなんだ。」
「集団での行動を円滑にするために、個人の限度をわきまえている感じがする」
人口密度が高い環境の中でも居心地よく暮らすために争いごとを極力起こさない。
でも一方で、常に型にはめられている感じがしたり、
個性や創造性が失われたりする欠点があるんじゃないかな、
との推察でした。
また、あるフィンランド人は、
とコメントしています。
「きっと “見えないマナーブック” があるから、他人が何を求めているかもわかるんだね。
なんだか、みんなが一つの頭で考えているみたいだね」
とのことでした。
集団主義の日本人と、個人主義のフィンランド人での文化の差を感じた、
という体験談はこちらから。
空気を読む
「私は典型的な日本人と違って、空気読まないタイプだから~」
と思っている人も多いかもしれません。
が、日本社会に長く住んでいる人はおそらくほとんどの人が
「日本の空気の読み方」を無意識のうちに習得し、実践しています。
海外に暮らすと、普段他人と空気を読み合っていたんだ、ということがとてもよくわかります。
例えば、具合の悪そうな相手に「大丈夫?」と聞いたとして、
相手が「大丈夫…」と答えても、空気を読んで気遣ったりしますね。
外国の生活では、「大丈夫」と言うと本当に「大丈夫」と思われて、
気遣ってもらえないことが多いので、正直に「ちょっとムリ」と言うようにしています。
でも「毎回言わなきゃわからないの??正直これくらいは気づいてよ…」というようなこともあり、
日本人の「空気を読む」は、コミュニケーションを円滑にする潤滑油なのかな、と感じています。
順番を守ることを大切にする
この回答者が挙げた例は、「日本人が会話するとき」。
確かに、私たちは相手が話し終わるのを待ってから、自分の話をするのがマナーと考えます。
でもフィンランド人もそうです。基本的に相手の話を遮るのは失礼なことと見なされています。
相手の話をしっかり聞くことがマナーと思われているので、
パーティーでも気が付けば一対一で話し合ってしまい、集団でワーッと話すことは少ないのだそう。
「相手の話が終わるのを待ってから自分の話をする」という点で、日本人とフィンランド人は似ている?かも。
いかがでしたか?
私は普段聞くことのない「フィンランド人が思う日本人像」を知れて、なかなか面白かったです。
意外と当たっているように思うのですが、どうでしょうか?
ちなみに、日本人がフィンランドを幻想化しているのと同じように、
フィンランド人も日本を「夢の国」扱いしています。
お互いにあまり夢を見すぎない方が良いかもしれませんね…。
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