【フィンランドの観光戦略】なぜマリメッコは日本人に人気なのか

フィンランドいろいろ

なぜマリメッコは日本で人気なの??

マリメッコは、なぜか日本人に異常に人気です。

なぜ日本でマリメッコがこれほど浸透しているのでしょうか?

理由① 販売開始時期が早かった

実は、日本ではすでに 1970年からマリメッコが販売されていました。

マリメッコが早々に日本市場に着手し、日本での認知を徐々に高めてきた

ことが、現在の安定したマリメッコファンの要因となっています。

日本では有名なブランドとして誰もが知るマリメッコですが、

他国では現在もまだ認知度を高めるのに力を注いでいる状況です。

 

理由② 観光戦略の一つだった

季節を問わない観光資源

みなさん、フィンランドと言えば、必ず「デザイン」というキーワードが思い浮かびませんか?

これは実は、フィンランド政府観光局の、観光客増大のためのもくろみ だったのです…!!

(といっても、特に嫌な気分はしませんけどね!)

 

 

フランスやイタリアのような、これといって観光の目玉となるものがないフィンランド。

そこで、観光会社が目に着けたのが、フィンランド「デザイン」でした。

デザインは、オーロラのように季節による観光客の変動に悩まされることもない。

デザインは、季節を問わず観光客を惹きつけることができる

着実で安定したファン層が築きやすかったのです。

 

幅広い顧客層

さらに、デザインは、

以前からフィンランドファンだった人には、
よりディープなフィンランドを知ってもらう、

フィンランドのことをなんにも知らない人にも、
フィンランドデザインというトレンド作りをすることで、
まずはフィンランドに関心を寄せてもらう、

というように、古いファン層にも、新しい顧客層にも、どちらにも柔軟に働きかけることができる 。

デザインは、まだあまり知られていなかった「フィンランド」という国のイメージを構築していく上で

恰好の資源だったのです。

 

 

「デザイン」を目的としたフィンランド観光の確立

こうして、フィンランドファンが少なかった2000年頃から、

ちょこちょこと、フィンランドのデザインを地道にアピールし続けた結果、

フィンランドへの旅行客増加につなげることができたのです。

 

あんまり知られていないうちから、旅行ツアーを充実させても利用する人は少ないはずです。

最初から「旅行」の二文字を全面に出すのではなく、

デザインを通じて、まずは「フィンランド」という国に興味を持ってもらおうとした。

例えば、何気なく手にとった器がフィンランド産で、

「あ、これ素敵な器!どこの国のだろう?フィンランド?フィンランドってどんな国なんだろう…?」

といったように、淡い興味を蓄積させることでファンを増やそうとしたのですね。

これが現在の着実で根強いフィンランドファン層につながったのです。

 

その後、デザインを主な目的としたフィンランド旅行のパッケージツアーを用意し、

デザインと旅行をセットにしたツアーを販売した ことで、

結果、フィンランドデザインに興味を持ってくれた人たちを

うまくフィンランド旅行へと誘導することができた、ということです。

 

フィンランドの魅力の中心的立ち位置に設定されたフィンランドデザイン。

マリメッコがこの大役を担っているのは言うまでもありません。

映画「かもめ食堂」で、もたいさんがマリメッコドレスを着ていたのも、

決して偶然ではないのです…刷り込まれていたのです私たちは…!!(笑)

 

なぜユニクロのマリメッコのコラボは日本で販売されなかったのか

2020年春、日本を除く全世界で、ユニクロがマリメッコとのコラボ商品を販売したことで話題になりました。

「なぜよりによって、マリメッコが大人気な日本でだけ、マリメッコが販売されなかったのか」

と憤りを感じているファンが多かったのではないでしょうか。

マリメッコの戦略とは

ユニクロは、「お手頃価格の企業」というイメージが強いです。

一方、マリメッコは「高級志向」のブティック会社。

コラボを考える際、このブランドイメージというのはとても重要な要因です。

うっかり「お安い企業」とコラボしすぎると、マリメッコの「高級志向」のイメージが崩れてしまいます。

 

では今回マリメッコがユニクロとコラボした狙いはなんだったのでしょうか?

それは、広告効果です。

マリメッコは日本でこそ有名ですが、他国では未だ認知度は低いです。

ユニクロという

「世界にチェーン展開している」かつ「お手頃価格で顧客層が広い」大手企業とコラボすることで、

世界中の人々にマリメッコを知ってもらおうと思って、コラボに踏み切ったと考えられます。

 

少々の「マリメッコの高級志向イメージダウン」を犠牲にしても、宣伝することを選んだということです。

「全世界へのブランドの認知を進め、将来的に安定したファン層を増やす 」

これが狙いだったのです。

 

日本がハブられた理由

ではなぜ、日本では販売が見送られたのでしょうか?

それは簡単。

日本の人たちは、値段が高くても普段からバンバン買ってくれてるから、

わざわざ値段を安くする理由がなかった からです。

日本は市場が安定しており、マリメッコにとって大のお得意様。

わざわざお手頃価格のユニクロと手を組み、自分のブランドのイメージを下げてまで

認知度を広めたり、収益UPを狙う必要性がなかったのです。

 

現地人のマリメッコの認知度は?

お膝元ですから、もちろんマリメッコは人気です。

(ヨエンスーという田舎町にも店舗があるくらいですからね…)

ですが、そのお高い値段ゆえ、買う人は限られてきます。

私がヨエンスーに居た頃は、確か二人くらい、マリメッコの上着を着ている人を見かけました。

学生たちは圧倒的に節約志向なので、セカンドハンドショップやH&Mが大人気。

リンヌは

マリメッコは3歳くらいの時にドレスを着せてもらったくらいだわ。
あとは…誰かからもらった鍋掴みがマリメッコだった気がする(笑)

とのことでした。

 

もちろんマリメッコバッグなど、お手頃なものは結構持っている人が多かったです。

でも、マリメッコアウトレットの顧客も、ほぼ9割が日本人!

マリメッコはフィンランド人にとって、

ちょうどデパートのちょっとお高い服屋さんという立ち位置なのでしょう。

 

 

それではフィンランド人はどんな服を着ているのか。

実は、リンヌも含め、だいたいの人は、服装がとにかく地味!!

地味な色合い(黒、クリーム色、灰色、茶色)などを好んで着ています。

冬のジャケットを買ったときも、日本のようなカラフルなスキーウェアはなく、

皆、上記の色のみでした。

 

私はフィンランド初日に明るい緑の服を着ていきましたが、

町を歩いていて周囲の様子を見た時に、派手かな…?と気にし始めてしまったくらい。

なかなか、イメージと違うフィンランドです。

 

参考文献

インタビュー:フィンランド政府観光局日本局長 能登重好氏
独自の発想で「トレンドづくり」に成功 素材に頼らない旅行の「目的」の創出へ フィンランドの2007年の日本人宿泊ナイト数は前年比5%増を記録した。地道に続けるプロモーション活動で「デザイン」というイメージが定着し、着実な需要に結びつ
REVAMPED MARIMEKKO FLAGSHIP STORE OPENS IN TOKYO – PARTNER-LED RETAIL IN ASIA IS ONE OF THE KEY DRIVERS OF MARIMEKKO’S GROWTH
Marimekko Corporation, Press Release, 31 August 2018 at 10.15 a.m. The revamped Marimekko flagship store in Tokyo opens its doors today, 31 August 2018....

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