ヨエンスーってどんなところ?
概要
ヨエンスーはフィンランド共和国にある都市の名前です。
ヨエンスーは、Joensuuと書きます。
フィンランド語では、「Ja・Ju・Jo」と書いて「や・ゆ・よ」 と読むからです。
日本語で、
という意味。
そう、フィンランド語で「河口」という意味なんです。
その名の通り、大きな湖に流れ出る川の周辺に、町が形成されています。
また、ヨエンスーは学生都市!大学を二つ保有しています。
2010年に「ヨエンスー大学」と合併して誕生した、3つのキャンパスを保有する大きな大学です。
できたばかりでとても綺麗な大学!多くの留学生が集う国際色豊かなキャンパスです。
もう一つは、カレリア応用科学大学。川の向こう側にあり、二つのキャンパスを持っています。
美しすぎる景観
このビデオをぜひ見てみてください。
真っ青な川と白樺の木々がさらさらと揺れる圧巻の美しさ…
こちらの動画の作成者 David Huovelinさんは、ヨエンスーに住むドローンのフォトグラファー。
ヨエンスー中心地の、美しい360°写真もこちらで公開してくれています。ぜひチェックしてみてください!
さらにヨエンスー市は最近、フィンランドの他の都市に先駆けて、ライブ中継カメラを設置しました。
ヨエンスーの「今」を見れる!
フェスティバルが開催されている日は、中心街でたくさんの酔っ払いが夜中にタクシーを拾っている様子を見ることができます(笑)
こちらからチェックしてみてください。
![](https://suvi-finland.com/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/5858afc6d7e629b36838af5c44824e55.jpg)
ヨエンスーは、優しくて気さくな人ばかりが住み着いた、本当に心穏やかで幸せな都市です。
街をのんびり散歩すれば、きっと彼らのホスピタリティに触れて、心があったかくなるでしょう…
旗の意味
![](https://suvi-finland.com/wp-content/uploads/2020/01/150px-Joensuu.vaakuna.svg_.png)
https://fi.wikipedia.org/wiki/Joensuun_vaakuna
これがヨエンスーの旗/紋章です。
紋章の黒と赤はカレリアの伝統的な色です。
このカレリアの民俗衣装も、黒と赤が特徴的です。
この紋章の波部分や色使いは1923年にEric O. W.Ehrströmによって設計された紋章に基づいており、
1850年に作られた紋章からテーマが受け継がれています。
![](https://suvi-finland.com/wp-content/uploads/2020/01/Joensuu_vaakuna_1923.jpg)
https://fi.wikipedia.org/wiki/Joensuun_vaakuna
旗の波部分はヨエンスーの中央を流れるピエリショキ川を表し、
城壁は東のロシアとの境界の位置を示します。
お祭りやイベント
最近では、芸人のうしろシティ金子さんたちが、ヘヴィメタル編み物選手権で訪れたことで有名で、
毎年のヘヴィメタル編み物選手権の決戦の場です。
日本の独特なスタイルを採用したパフォーマンスは、フィンランドの人たちに大ウケでした!
また、フィンランドで最も大きい音楽祭の一つである「Ilosaarirock festival (
イロサリロックフェスティバル)」開催の地です。
去年は「Closer」で有名なザ・チェインスモーカーズや、「Taki Taki」でヒットしたDJスネイクなどが来てくれました。
ilosaarirock 2019のプレイリストはSpotifyから見ることができます。
どれだけ田舎なの?
wikipediaによると、フィンランドの都市の中で、12番目に大きい都市。
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/6e/Tammerkoski_from_air.jpg/640px-Tammerkoski_from_air.jpg)
人口は5万人で、香川県さぬき市と同じくらいです。
なーんだ、田舎なんだなやっぱり。と思ったそこのあなた。
確かに田舎ですが、フィンランド内ではそこそこの都会です!57都市中12番目だし、
フィンランドの本当の田舎は、一つの村に5人しか住んでいない世界なんですから。
どのくらい人がいるかというと・・・
普段の日
![](https://suvi-finland.com/wp-content/uploads/2019/10/daremoinai-1-e1578485756952.jpg)
アイスホッケー優勝直後
![](https://suvi-finland.com/wp-content/uploads/2019/10/icehocky.jpg)
いつも隠れてるだけで、ほんとはいっぱいいるんです。
でも、冬は、咳をしても一人 状態。大通りに人っ子一人いません。
雪が解けるころ、暖かくなってくると、どこからか、じわじわと湧きだします(笑)
ヨエンスーの場所と歴史を知ろう!
![](https://suvi-finland.com/wp-content/uploads/2019/10/where-is-joensuu-773x1024.jpeg)
北カレリアの首都
ヨエンスーは、フィンランドの東、北カルヤラ/北カレリア(Karelia)地方に属しています。
そしてヨエンスーはなんとそのカレリア地方の首都!
都市はロシアの皇帝によって1848年に設立されました。(フィンランドの建国1917年より前!)
19世紀ごろは製造と商業の都市として知られ、
特に、北カレリア・サンクトペテルブルク・中央ヨーロッパを結ぶ水上交通が盛んでした。
そして19世紀の終わりには、フィンランドで最も巨大な港となったのです。
その水上交通の運河の中でも、最も活気があったのは、この Pielisjoki (ピエリショキ川)です。
全盛期には、この川は何千もの蒸気船や貨物船が通っていました。
ヨエンスーの川、ピエリショキ川には今も多くの材木運搬船が航行しています。
船が来ると、このように毎度車の交通がストップし、橋がウィーンとトランスフォーム…。
もちろん今は列車でも運びます。製材作りが盛んな都市です。
ユニークな材木の運び方
また、Log raftと呼ばれる、人の手のみで木材を流しながら運ぶ方法もとても盛んでした。
![](https://suvi-finland.com/wp-content/uploads/2020/01/images.jpg)
https://www.wikiwand.com/en/Timber_rafting#/Historical_rafting
(このように、丸太の上に人が乗りながら、棒のようなものでつついて、丸太をうまい具合に流していく、運搬方法です。)
こちらの記事で紹介したトナカイチーズの絵柄にもなっています。
ヨエンスー市内にはその当時を記念した銅像があります。
![](https://suvi-finland.com/wp-content/uploads/2020/01/Joensuu_-_Log_Floaters..._-_panoramio.jpg)
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Joensuu_-_Log_Floaters…_-_panoramio.jpg
実はこのLog raft、イッテQのお祭り男がフィンランドの別の地域で
「材木祭り」としてお試し済みです。
カレリアンピーラッカ発祥地
フィンランドのおにぎり「カレリアンピーラッカ」は、フィンランド人のソウルフード。
中身がおかゆのパン、という不思議な食べ物ですが、素朴な安心する味わいです。
フィンランドの全土でしょっちゅう見かけるこの食べ物、
実は、ヨエンスーが位置する「カレリア地方」発祥の食べ物です!
![](https://suvi-finland.com/wp-content/uploads/2019/08/cropped-プロフィール写真-1.jpeg)
私の友人のお母さんが、ヨエンスーでカレリアンピーラッカ工場を運営しています。
中には、カレリアンピーラッカモチーフのこんなかわいいポシェットまで。
ヨエンスーの可愛い雑貨特集は、こちらから見れます。
![](https://suvi-finland.com/wp-content/uploads/2020/09/2019-08-22_12-09-14_150-1-160x160.jpeg)
また、おうちで作れる!カレリアンピーラッカの作り方はこちらから。
![](https://suvi-finland.com/wp-content/uploads/2019/10/2021-02-21_20-28-23_184-160x160.jpeg)
ロシアの空気が残る土地
ヨエンスーは、御覧のとおり、ロシアとの国境にとても近い。
実は北カルヤラは、以前はロシア領にあったのです。
現在は、カルヤラ地方が国境で二つに分断されており、
”フィンランドのカルヤラ”と”ロシアのカルヤラ”が存在します。
ホリデーシーズンになるとロシアから多くの人がやってきて、
ヨエンスーの大型スーパーで大量の食品を買いだめをしていく様子を見ることができます。
また、ロシアのカルヤラからの学生も多く見かけます。
フィンランドのカルヤラに移住してきた彼らは、流暢なフィンランド語で学校に馴染み、
週末になると実家にバスで帰っています。
また、プロテスタントが主流のフィンランドですが、 ロシアの影響を強く受け、
カルヤラ地域には東方正教会が多く存在します。
ヨエンスーの中心街には正教会とプロテスタントの教会が複数混在しています。
1000(以上)の湖のある国 フィンランドの湖水地方
![](https://suvi-finland.com/wp-content/uploads/2020/01/ヨエンスーピャ.jpg)
マップを見て、Joensuu周辺の最も大きな特徴に気が付いたでしょうか?
そう、全国でも湖の多い湖水地方で、水の上に都市がある、
と言った方がしっくりくるくらい、見渡す限り水に囲まれています。
ヘルシンキからの距離は
おすすめは電車です。
森の中を進む電車の窓から、パッと現れる湖、これがまたとてもきれいなんです…。
詳しくはこちらの記事から!
![](https://suvi-finland.com/wp-content/uploads/2019/09/2018-09-30_16-46-05_339.jpeg)
どれだけ寒いの?
この写真は2月のピエリショキ川。川の先から湖まで、全部凍っています…。
ヨエンスーの一年の気温の変化は、寒い年で-30°~25°、温かい年は-15°~28°ほど。
雪が地面に残らないヘルシンキとは反対に、雪がたんまり積もる傾向にあります。
しかし!
信じがたいかもしれませんが、日本の冬より暖かく感じるのです。
冬の北海道に行ったことがありますが、
同じ気温のフィンランドと比べると、北海道の方が断然寒く感じました。
日本の冬は湿気のせいで体の芯から冷え冷えする感じがする一方、
フィンランドの冬はカラッと乾燥しているので、
体の表面だけが凍る感じ、体の中心は暖かいまま、という感覚がします。
各月の寒さ・日の長さ・雪の量について、こちらの記事で詳しく解説しています。
![](https://suvi-finland.com/wp-content/uploads/2020/06/uZ0r079PTBCUe8cvIUMidg-160x160.jpg)
また、ヨエンスーの冬だからこそ楽しめるアクティビティはこちらです。
なにがあるの?
ずばり、なにもない!!(笑)
ただし、自然を観光スポットと見なさないのであれば。
ほんとうのフィンランドは自然にある
ヘルシンキも楽しいですが、氷山の一角でしかないんです。
ほとんどの日本人はロヴァニエミなどの北、もしくはヘルシンキなどの南は観光向けの地域に集まってしまい、
フィンランドの中部にあたるヨエンスーなどの地域は、ほとんど日本人がいません。
そんな観光客に知られていない場所だからこそ、
観光用に作られた景色ではない、本物のフィンランド が味わえるのです。
一番のおすすめスポットは Koli National Park
![](https://suvi-finland.com/wp-content/uploads/2019/10/koli.jpg)
フィンランドでも随一の有名な自然公園です。
シベリウスは、交響詩「フィンランディア」を、Koliのこの風景にインスパイアされて書き上げました。
彼がなぜそれほど影響を受けたのか、岩の上に立ってみればわかります。
こちらは、日本人の「石井清」さんの絵「ヨエンスーの森」です。
まさに、シベリウスが影響を受けた、コリ国立公園の景色そのもの。
春、夏、秋、冬、何回行っても飽きません。
夏は、コテージを借りて、自分たちだけで静かな自然を楽しむもよし、
山の中にある山小屋で、フィンランド人たちと一緒にBBQを楽しむもよし。
冬は、スノーシューイングや、スキーでの登山も楽しめます。
コリ山の魅力から宿泊方法、行き方まで、すべてを詳しく解説しています。
今後もヨエンスー情報を発信していきまーす!
![](https://suvi-finland.com/wp-content/uploads/2019/10/ヨエンスー川.jpeg)
![](https://suvi-finland.com/wp-content/uploads/2019/09/2018-09-30_16-46-05_339.jpeg)
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コメント
私がフィンランドに親しみを持ったのは通販で購入した薪割り斧(Fiskars)の実店舗がラッペーンランタにあったからです。
土地利用、国境線と歴史、などに関心を持ちました。
自然エネルギー関係のウェビナーにラッペーンランタ大学の先生が登場したこともありますが、これもフィンランドの状況に関連していました。
教育関係のブームに終わらせない文化理解には多面的な情報が必要なので貴重と思います。これから少しずつ読みます。
ひょんなことからフィンランドへの入り口が開いたのですね!
私のブログまでたどり着いていただき、光栄な限りです。
コメントありがとうございました。