コリ国立公園とは
― シベリウスが名作「フィンランディア」をかき上げた地 ―
それこそが、フィンランドの誇る名景、コリ国立公園なのである。
フィンランド語で「Kolin kansallispuisto」。
今回は、コリ国立公園を愛してやまないヨエンスー住民の私が、
全シーズンを制覇した経験から、コリ国立公園への観光をアドバイスします!
コリの場所
フィンランドの東、北カレリアに位置し、
リエクサ町にありますが、湖を隔てて、ヨエンスー市とコンティオラハティ町と同じ側にあります。
コリ国立公園に最も近い都会(?)がヨエンスー です。
コリの山々
コリの山は、(コースによりますが)日本の山と比べるととても登りやすいです。
そこらに他の大きな山が全くないので、
地平線まで平べったい森林が続いていく光景を見下ろすことができます。
また、全体的に岩が多く、写真のように傾斜が多くなっています。
よく言えば、お昼ごはんを食べるときに腰を下ろすのに最適ですが、
悪く言えば、滑りやすいので、靴の滑り止めがちゃんと効くか確かめておきましょう。
山頂の名前は、
Akka-Koli (339m) ― 「おばさんコリ山」
Paha-Koli (334m) ― 「悪いコリ山」
Pieni-Koli (238m) ― 「小さいコリ山」
最も高いポイントは、354mです。
おすすめの季節
おすすめの季節は….ずばりありません。
春夏秋冬、いつ行っても、その季節の美しさがあり、
全く飽きることがない のです。
春 kevät (4月~5月頃)
フィンランドの春は、一瞬!
春と言っても、
フィンランドの春は、私たち日本人にとって半ばまだ冬です。
春のKoliはもちろん、あちらこちらに雪がたくさん残っています。
スニーカーで行った私は、つるつる滑りまくり、こけまくりました。
準備できる人はちゃんと登山靴で。
(普通のトラックを歩く分にはスニーカーでよいと思います)
脱ぎ着のしやすい軽い長そでを持参し、
中は(5月頃であれば)半袖でもよいかもしれません。
夏 kesä (6月~8月頃)
夏、特に6月頃は、蚊が大量発生しているので注意が必要です。
蚊よけグッズを持ってくるのを忘れないようにしましょう。
夏といっても “寒い” と思う日があるので、
ほぼ春と同じ服装で。(中半そで、上長袖のジャケット)
秋 syksy (9月~11月頃)
秋は、コリが真っ黄色に染まる季節です。
言わずもがな、言葉を失う絶景です。
秋は少し雨が降る日が多かったり、風の強い日があったりして、
安定した天候の日を狙うのが少々難しい季節です。
雨の時はコテージでゆっくり、晴れたら山登りしよう、ということができるように、
少し余裕を持った日程を組むと良いでしょう。
レインコートやウィンドブレーカーなどの上着が適切。
初秋は暑い日もまだ残っているため、いつでも半そでになれるような重ね着がおすすめ。
晩秋は雪が降ったりするくらい寒くなる日があるため、厚めの長袖を中に着ておきましょう。
冬 talvi (11月頃~3月)
どれも選べませんが、筆者は個人的に
冬に見た景色が一番圧巻の光景だと思いました。
空が虹色に染まり、
オーロラに匹敵する美しさでした。
この記事のカバー写真を撮った時。
その時の光景は、まさに、夢と現実の境目でした。
ただ、冬はハイキングコースに設置されている階段が凍りつき、もはや滑り台のようになっています。
場所によっては少し危険な季節ですので、登山の際は複数人で行くことをおすすめします。
風の強い日は少ないので、意外と思ったより暖かいのがフィンランドの冬。
登山していると暑くなってくるので、
分厚いダウンを着るよりも何枚も温かい服を重ねる方がおすすめ。できれば冬用の靴(フィンランド人のブーツの使用率は低いですが、ブーツの方が靴の中に雪が入り込まないのでおすすめ)+あったかタイツをズボンの下に着ましょう。
私は長袖+ライトダウンジャケット+厚めのレインコートで十分でした。とはいえ、足は雪の中を歩くので冷えます!
冬のコリでスキーをしよう!
また、冬はスキーやスノーシューが借りられるため、
アクティビティにバリエーションが出てまた違った面白さが。
スノーシューなどのレンタルはこちらから
また、ダウンヒルスキーのスキー板やスノボ板、コースや料金の詳細はこちらから。
交通手段 ~ヘルシンキからヨエンスーまで~
こちらで詳しく解説しています。
【ヘルシンキ~ヨエンスー】
【飛行機で来る人へ:ヨエンスー空港から市内まで】
交通手段 ~ヨエンスーからコリまで~
レンタカー
フィンランド人は基本的にコリへは自家用車で来ます。
ローカル気分で、コリへの途中の道で寄り道したり、森林の風景をゆっくり楽しみたい人向け。
こちらでレンタカーの借り方を詳しく説明しています。
レンタカーでコリに訪問される方へ
こちらのParking lot1にて駐車することができます。
この駐車場からケーブルカーがUkko-koli山の登頂開始場所に向かって伸びているので、
このケーブルカーを使って上へ上ってください(無料)
このストリートビューをぐるっと回してもらうとわかりますが、ここがコリの駐車場です。
コリの下町に車を置いてくる必要はなく、この山の中腹にて駐車することが可能です。
コリ専用駐車場から山頂(登山スタート地点)までは、このストリートビューの左側に見えている、
無料ケーブルカーを使って移動します。3分で着きます。
(もし自分の足で登りたければ、ケーブルカーの下に階段もあります)
乗り合いタクシー(小型シャトルバス)
ヨエンスーから観光客がコリに訪れる最も一般的な手段です。
ヨエンスーとコリの間で運行しています。
<注意事項>
・予約は 電話予約 のみ(前日の事前予約 がおすすめされています)
・料金は 一人32€
・プライベートタクシーと乗り合いタクシーのどちらかが選択できます。電話予約の際に伝えましょう。
・ドア to ドアのため、他の人の予約状況により、Joensuu空港やJoensuu駅にも行く可能性あり。
<タクシーの拾い方>
空港以外の場所(例えばJoensuuの中心街)などに来てもらう場合、決まった場所はありません。
電話の際に、どこどこに来てほしいと指摘するか、または、向こうが提案してくれます。
私たちの場合は、ヨエンスーの中心街の Carelicum の前に来てもらいました。
ヨエンスー市のインフォメーションセンターであるCarelicumは待合場所にぴったり。
迷ったらここをおすすめします。
運行時間はこちらからチェックできます
普通のタクシー
乗り合いタクシーとは別に、普通のタクシーもあります。
人数によっては、こちらのタクシーの方が乗り合いよりもお得になります!
タクシー:1–4人 140 €
タクシー:5–8人 175 €
バス:9–19人 210 €
バス:20–29人 245 €
バス:30–58人 280 €
予約はこちらから。
メール:asiakaspalvelu@kolintaksi.fi
電話:+358 207 414 391
自転車
Joensuuに自転車貸し借りのできる場所があるので、可能ではありますが、
Koliまでアップダウンが激しく、しかもヨエンスーから7時間かかるので全力でおすすめしません。
ヨエンスーで自転車が借りれる場所はここ!
宿泊施設
とっても安くて、たくさんの人が泊まれるコテージ!
おすすめの人数:3人以上
私がおすすめするのは、この大人数用コテージ。
たいてい5人くらいの宿泊客を想定しているコテージが、Koli周辺にはたくさんあるのです。
そして、それが 破格の安さ!!
泊らないとほんとに損!
ボートの使用の際は、無料で用意されているライフジャケットを必ず着用するようにしましょう。
注意1:タクシーで来た人が宿泊する場合
宿泊施設を決める前に必ずチェックしてほしい のが、スーパーの場所!
もし自家用車ではなくタクシーでコリに宿泊しに来たなら、
宿泊中の食料の確保は徒歩で行わなければなりません。
うっかりしていると、宿泊先がスーパーから何キロも先だったなんてことも。
注意2:コテージを去る時は掃除して!
宿泊最終日。
忘れてはいけないのは、部屋の大掃除です!
ホテルのように見えるこんなきれいなコテージでも、
隅々まで掃除しなければならない決まりになっています。
掃除が行き届いていないと、罰金です。
ちょっと奮発。贅沢な眺めのホテルに泊まろう!
おすすめの人数:2人
Koli のホテルと言えば、こちらのホテル。
Ukko-Koli の山の中にある高級ホテルで、部屋の眺めが最高と言われています。
朝起きたら、山の山頂の眺めを独り占め!最高の目覚めが経験できそうです。
スオミの旦那と一生一笑のあおいさんがこちらのホテルのレポを動画にしています
ホテルではもちろん掃除しなくていいです!笑
ハイキングコース
地図
夏用の登山道地図
https://julkaisut.metsa.fi/assets/pdf/lp/Esitteet/koli-makrankierto-eng.pdf
冬用の登山道地図
https://julkaisut.metsa.fi/assets/pdf/lp/Esitteet/kolieng.pdf
もっと詳しく、山用の地図を見たい!という方はこちらから。
スタート地点
スタートはいつもここから。
SOKOSホテル付近です。
先ほど述べたように、まずこのスタート地点に着くには
駐車場から無料のケーブルカーに乗って、SOKOSホテルやお土産屋さんがある
広場に上がってこなければなりません。
そこからスタートです。
人気のハイキングコース Ukko-Koli山 のコース
フィンランドで最も知られている景色(シベリウスの見た景色)を見られるコースです。
とても歩きやすく、写真スポットが盛りだくさん。
ハイキングコースはこちらからチェックできます。
他のコースに関しては、こちらから見ることができますが、
とってもテキトーに書かれています。
コースに関する情報が少ないですが、現地に行けばわかりやすい看板や、
他の登山者がたくさんいますので、迷うことはないでしょう。
ツアーに参加
コリ山のツアーに参加することもできます。
料金は22~70ユーロ。
冬のスノーシューガイドから、コリの名所ツアーまで、様々なオプションが展開されています。
山の中の焚火施設
誰でも自由に使えます。
近くに木が積まれていることもあるので、そこから自由に薪を取ってきて、火をつけてみましょう。
帰るときは、マナーとして、少々綺麗にしてから立ち去りましょうね。
トイレは?
トイレは山の中にはありません。
そのため、コリ国立公園の入り口である
ソコスホテルコリにてあらかじめトイレを済ませておきましょう。
こちらのブレイクソコスホテルコリの内部にあるトイレ、
または隣接する Koli Shop Rekitupa というお土産屋さんのトイレを
無料で使用することができます。
とても綺麗で近代的なトイレです。
コリに行くときの持ち物
お昼ご飯
山で焚火するなら、マッカラ(太いソーセージ)は必須!
マスタードとマッカラをリュックに忍ばせたら、
フィンランドスタイルBBQ の準備は万全です。
ただ、焚火をあてにしていると焚火が見つからなかった場合に困ります。
スーパーでサンドイッチなどを購入し、持参しましょう。
コテージでお米を炊いて、おむすびを持って行くのもおすすめ!
私は、マッカラは生でもかじるけどね
マッチ、ライター、ファイアースターター等
当然、焚火場に着いたら自分たちで火を起こさなければなりません。
そんな時に火起こしグッズがあると便利です。
軽い長そで
どの季節でも、あって後悔はしないでしょう。
とにかく、重ね着 です!
冬は脱ぎ着のしやすいウィンター向けジャケットを着ていきましょう。
虫よけグッズ(夏)
夏は必須!虫よけスプレーなどはあってもあまり変わらないほど、
蚊が襲ってきます。
筆者は今度夏に行くときは、この網付きハットを持って行こうと思っています。
他は特になにもいりません。
もちろん少々はお金を持って行きましょうね。
それでは、美しいMetsä へいってらっしゃーい!Hvää Matkaa!
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